30代の転職にまつわる噂を検証

転職市場でまことしやかに囁かれる〝30代転職危機説〟。
本当に30代の転職は危険なのか?
そもそも不況の今、転職市場の状況はどうなのか?そして、資格は30代転職に機能するのか?
などなど、30代、転職、そして、資格という3つのキーワードから浮上する、
様々な〝噂〟を、現職の転職エージェントがその真実を語る !

噂4:30代転職を実現する資格があるらしい

前ページで、企業への転職はもちろん、キャリア替え転職でも「資格は有効に機能する!」と、条件がありながらも断言しました。そこで、このページでは「30代転職を実現する資格があるらしい」という噂を元に、転職に有利に機能する注目の資格をピックアップ。ランキングで紹介します。

《30代転職に機能する資格ランキング》
1位:社会保険労務士(社労士)/国家資格
<業務概要> 企業の総務・人事部において労務・社会保険関連の申請書類の作成及び手続き、または帳簿などの作成を行う。また、独立系社労士の重要な業務として、経営者の依頼により人事・労務関連のコンサルタント業務がある。なお、コンサルタント以外の業務は、社労士の独占業務となる。
<転職機能度> 契約・派遣社員の雇用問題が多発し、多くの製造系奇異業が雇用制度の改善を図る今、もっとも人事や総務からのニーズがあり、特にマネージメント経験のある30代ならば転職に有利に機能すると思われる。
<取得難度> 大学卒業者など、受験資格が存在するため要確認。また、出題範囲も労働基準法を筆頭に、雇用保険法から健康保険法、国民年金法までと幅広く、合格レベルまでには800~1000時間は必要とされる。なお、平均合格率も9%弱と低いが、効果的効率的な学習を行えば1発合格も不可能ではない。
2位:宅地建物取引主任者(宅建)/国家資格
<業務概要> 不動産の売買及び賃貸契約が成立した際、顧客に対して行う「重要事項の説明」を法律で許された独占業務資格。不動産仲介業者をはじめ、不動産関連企業への転職には必要不可欠な人気資格。
<転職機能度> 不動産関連業界への転職には必須の資格であり、多くの転職希望者が宅建資格の取得を転職の前提としているため、取得資格単体ではそれほどの効果を発揮しない。しかし、そこに他業種であれ営業経験や実績、そして営業先と期待できる人脈があれば即戦力として判断される可能性も高く、30代であれ転職活動に有利に機能すると期待できる。
<取得難度> 受験に必要な条件はなく、また、全問択一式による出題のためか簡単に思われているが、実際の合格率は平均17%強と簡単に取得できる試験ではない。
なお、合格レベルまでには300~500時間の学習が必要とされる。
3位:FP(ファイナンシャルプランナー)/国家&民間資格
<業務概要> 顧客が希望する将来設計(ライフプラン)の実現に向け、顧客の財産や負債
といったファイナンシャル全般の状況を見直し、改善することで効果的な資
産運用をプランニングし、提案・サポートする資産運用のスペシャリスト。
<転職機能度> 「貯蓄から投資へ」と日本人の資産運用のスタイルが変化の兆しを見せる今、もっとも注目の資格であり、また、不動産業界における宅建同様、金融や保険業界には必須の資格となっているため、転職にも有利に機能する。
<取得難度> 国家資格である「2級FP技能士」は学科と実技の受験が必要。合格率は共に33%程度で、また、個別合格も可能。さらに試験も年3回実施と敷居も難度も低いといえる。ただし、FP技能士よりも一般的認知が高いのは民間の国際資格である「AFP」とされ、取得には指定研修期間によるAFP認定研修の受講が必要。なお、通信講座等には両資格を同時に取得できる講座がある。
4位:行政書士/業務独占資格(国家資格)
<業務概要> 会社設立、自動車登録、内容証明、相続・遺言、各種契約書などの書類作成及び役所への提出申請を代行する。これら作成・申請代行業務は行政書士の独占業務となり、取り扱い可能な書類の種類は1万通を超えるとされる。
<転職機能度> 企業への転職というよりも独立開業向けの資格であるため、キャリア替えか
つ独立志向を持つ方向けの資格といえる。オールラウンダーよりも専門性が
強みとなるため、現在の経験や人脈が活かせる分野があれば、独立開業し現在の年収を上回ることも不可能ではない。
<取得難度> 過去の平均合格率は6%程度と社労士以上に難度の高い資格。しかしながら、〝士業の登竜門〟という位置づけにある資格のため、受験に一切の資格はなく敷居は低く設定されている。なお、合格レベルまでに必要な学習時間も500?800時間と難度は高いものの、適切な学習方法により効率的に学習を進めることが出来れば、1発合格も不可能ではない資格とされている。また、行政書士資格の所有が、社労士試験の受験資格を満たす条件にもなっている。
5位:日商簿記検定2級/公的資格
<業務概要> 企業の経理部に所属し、経理・決算業務に携わる。なお、その対応能力が個人商店規模である3級に対し、一般企業の財務諸表にも対応できる2級以上が、転職の際の評価の対象となり得る。なお、投資家などが2級を取得していれば、投資対象企業の経営状況を把握でき、効果定期な投資も可能となる。
<転職機能度> 企業の経理を担当するには必須の資格といえる。実際の企業には意外にも簿記の有資格が少ないため、経理経験に加え日商簿記2級のスキルが加われば、転職に有利に機能する可能性は高い。なお、上位資格の1級合格者には国家資格である公認会計士試験への受験資格が与えられるため、将来は公認会計士として独立を目指すためのステップ的な資格ともいえる。
<取得難度> 受験資格はなく試験も年3回実施。また、合格率も例年40%程度と難易度は低い。また、合格までの学習も150~300時間とされ、効率的に学習を進めることができれば1?3ヶ月程度で合格することも可能。

ここまで、30代の転職に有効に機能する資格を5つ紹介しました。各資格の「転職機能度」を呼んでもらえればおわかりのとおり、「30代転職を実現する資格があるらしい」という噂の真実度は……

噂の真実度:80%

くらいのレベルにあると思われます。資格で転職活動を有利に進めようと考えている30代の転職希望者のみなさんは、このランキングを参考に、自身の経験と将来の目標を踏まえ取得する資格をじっくりと検討してみて下さい。

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