噂1:今、転職市場は活況らしい
前ページでもの述べたように、有効求人倍率の増加(あくまでわずかながら、ですが……)にともない、こんな噂がささやかれているようです。そこで、調べてみますと、大手転職サイト「DODA」を運営するインテリジェンスが10年2月に発表した「転職求人倍率」なるデータがありました。
09年12月時点の転職求人倍率(DODA転職支援サービス登録者1名に対して寄せられる、中途採用の求人数より算出)は0.98倍と、09年4月の0.68倍を底に緩やかな上昇傾向にあるとのこと。なお、求人増加の内訳を見ると、大手企業のみならず、中堅や中小企業の求人も増加傾向にあるのだとか。
また、業種別の転職求人倍率を見ると、「メディカル」が2.96倍と最も高く、次いで「IT/通信/インターネット」(1.05倍)、「金融」(0.88倍)と続くということです。なお、DODAキャリアコンサルタントの大浦氏のコメントによれば「09年末、政府より発表された経済成長戦略の中で、『20年までに医療・介護分野で約280万人、環境・エネルギー分野で約140万人、観光分やで約56万人の新規雇用を生み出す』という目標が命じされている。10年は、これらの分野で採用ニーズがより一層高まるものとみられている」としています。
転職求人倍率に30代という条件を加えると…
1倍に迫るまで回復した転職求人倍率に加え、政府による雇用創出の発表と、現在の転職市場には確かに好材料が揃っていると判断できます。しかしながら、上記データに年齢について言及はありません。
このサイトを訪れた方の大半が、20代後半?30代の社会人で転職を希望もしくは検討している方だと思います。では、上記データに30代という条件フィルターをかけるとどうなるでしょうか。多分、その転職求人倍率数は0.98倍から0.7~0.5倍にまで下がると思われます。厳しいですが、それが現実です。
また、キャリア採用ならともかく、30代でキャリア替えとなるとさらにハードルは高く、狭き門となってしまうことでしょう。そんな状況を総合的に判断した場合、「転職市場は活況らしい」という噂の真実度は……。
噂の真実度:65%
ほどになると思われます。次ページでは、より30代の転職にフォーカスを当て「30代の転職は危険らしい」という噂を検証します。